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できない・しちゃいけないより、できることを探そう

最近、よくご相談を受けます。

 

私の経歴からも、製薬業界の人と話すことが多いのですが、

製薬業界では販売情報提供活動ガイドラインが出されました。

 

簡単にいうと

ドクターが処方する医薬品の情報提供について、

適切でない過剰な情報提供はペナルティが課されることになります。

ドクターからの質問等は会社が記録を残すことが求めれらています。

 

今までやっていたことが、できなくなるかもしれないという

過剰な反応を一部の製薬会社は行なっているな、と私は感じています。

 

お薬には、国によって定められた使い方(用法用量)と

使って良い患者さんの範囲(効能効果)があります。

 

その範囲内で、正しいエビデンス(根拠となる臨床試験成績など)に

基づいて情報提供を行なってください、ということです。

競合する他社製品との比較は、エビデンスがある範囲で

正しい情報に基づいて行うというものです。

 

適正でない情報提供により、適切でない使い方をドクターが行うと、

患者さんに不利益が生じる可能性があるので、

根拠のない情報提供を行わないことが求められています。

 

一般の人からは、当たり前じゃないの!と感じるものであります。

 

患者さんは、個人個人で年齢・体力・合併している疾患など違いがあるので、

一人一人にあったお薬を選びたいとドクターが思うのは当たり前のことです。

 

製薬会社の提供する製品・お薬は、どのような患者さんに適しているのかを

知りたいのは当然です。

 

お薬を選ぶときに、よく似たお薬と、どこが違うの?ということは

一般的な商品と同じように必ず知りたいところであり、

比較して購入するというのは、普通のことです。

 

当たり前のようなガイドラインが制定され施行されるには、

何らかの適切でない活動が行われた事件があったからです。

 

事件後には、製薬会社の不適切な活動を医療機関が報告する病院のモニター制度も

導入されています。

モニター病院から、不適切な活動が行われているという報告が行われることを

製薬会社の幹部が恐れています。

 

ガイドラインに従わない、不適切な活動に対して、自社にペナルティが課されるのを恐れて、

会社の社員教育で、「・・・してはいけない」「・・・は回答しない」という

「・・・しない」オンパレードの教育を開始しているとのことです。

 

ガイドラインをしっかり読むと、効能効果や用法用量の範囲を超えることや、

エビデンスが不明瞭な場合は、会社に一旦戻って、しっかり準備を行なって回答することや、

ドクターからの様々な質問を、会社に報告することが義務付けられています。

 

ドクターからの様々な質問は、医療の臨床現場で求められているニーズであり、

臨床現場で求められている背景をもつ患者さんの使用方法を明確にしていく

チャンスでもあります。

 

その中には、製薬会社が想定していない新しい効果や使用法の可能性が含まれる

場合もあります。

ドクターと今まで以上に対話することによって、

今まで以上に幅広い情報が集まり、チャンスが広がると私は感じています。

 

しかしながら、製薬会社の多くが実施し始めている

「・・・してはいけない」「・・・は回答しない」の教育に基づき、

ドクターからの質問に「回答できません」と回答する会社の営業員(MR)は

顧客からみて必要な存在になるのでしょうか?

 

今まで目指してきた医療のパートナーという存在になれるのでしょうか。

 

ドクターと話している現場の営業員は、危機感を持ち、私に相談されます。

 

私は、

「・・・できない」「・・・しない」について、

どの範囲であれば、「・・・できる」に変えて考えてみよう!

回答しています。

 

みんなで、「・・・は回答していいよね」「・・・の合併症はここまで話せるよね」

などと考えて、出来ることを考えて、積極的に取り組んで欲しいと思います。

 

思考停止にならずに、考えれば、出来ることは沢山あります。

今まで以上に、出来るようになることが出てきます。

実際に取り組んでいただいた現場の人からは、

何も特別なことではなく、ドクターとの双方向の会話が広がっていくと

感じました、という報告をいただいています。

 

思考停止をうみ、自分たちの可能性を閉ざす教育ではなく、

創造性を高めて、自分たちの価値を高めることに、もっと時間を作ってくれたら、

社員も、顧客も、より幸せを感じる日々になるだろう!

と感じています。