書評・読書


 

毎月10冊以上の書籍を読んでいます。

子供のころからの読書好きです。

 

皆さんの仕事や自己成長につながる書籍を選び、自分なりの書評を加えてお届けします。

 

皆さんの読書人生の参考となり、豊かな人生を過ごすことを応援していきます。


書評37

トップも知らない星野リゾート 前田はるみ、THE21編集部

誰もが知る星野リゾート、

 

現在は国内外で40を超える

リゾート運営会社に成長している。

 

 

その成長の原動力は、

フラットな組織体制であり、

 

その現場でモチベーションを高く保ち、

自発的に行動する社員の存在。

 

社員は自分たちが

やりたいことを実現するまで、

 

粘り強く取り組み、諦めない。

 

 

そのフラットな組織体制を、

やりたいことを実現するために

 

動く社員に焦点を当て、

現場目線で書かれている。

 

 

奥いら瀬渓谷の苔プログラム、

トマムの雲海テラス、

竹島の地域の祭り見学プログラムなど、

 

実例がストーリーとなり、感情を動かす。

 

フラットな組織文化では、

次のことが起こっている

 

・誰かの指示に頼らない

 

・トップの意思決定プロセスは存在しない

 

・トップがやってみることには反対しない

 

・社長の意見より現場の意見、

 社長の発想ではなくターゲット世代の発想

 

・役割の異なるメンバーが議論し、

 理解と創造を生んでいる、

 共感・協働を生む

 

・5年後、10年後のために

 今何をすべきかを考えて取り組んでいる

 

・自分たちの行動の結果の一つが

 売り上げという指標

 

・チームを率いるディレクターや総支配人は

 立候補制度で挑戦できる(何度でも、復活もあり)

 

・働く環境は自分で選べる:

 何をやるか、誰とやるか

 

・顧客は友人、社員は家族

 

・社内ビジネススクールがあり、

 社員は自分の時間(勤務外時間)を

 学びに投資する

 

・社内の情報の流れに規制がない

 

星野は、

かつての上司は、情報を独占することで

発言内容を有利にしていた。

 

情報量の差がなくなると、

議論の優位性がなくなる。

 

その際に必要な力は、

以下の3つであるという。

 

・論理的な思考力

 

・意見をまとめるファシリテーション力

 

・意思決定の際の納得度を高める

 コミュニケーション力

 

上長の役割は、

 

情報を渡し、考えさせ、

議論をファシリテートして

妥当な案を選択すること

 

一般に、組織が巨大化すると、

フラットが失われてくる可能性があるが、

 

現場力を常に底上げし、

創造性を高めている星野リゾートは

本書を読む限り、ますます発展すると感じた。



書評36

ミーニング・ノート  山田 智恵

著者の山田智恵さんは、

青山の英会話スクールで共に学んだ。

 

とてもセンスが良い素敵な女性で、

その後、ボストンに留学、

華々しい活躍をされ、

女性のリーダーシップの分野で活躍されている。

 

挫折があったことは聞いていたが、

その後、大きなチャンスをつかむのに、

本書にあるチャンスを記載する

ミーニングノートの存在があったとは。

 

もっと早く知りたかった。

教えてくれよ!

 

と言いたくなるほど、

チャンスを掴んでいく

具体的ノウハウが詰まっている。

 

青山の英語スクールで、

ほとんど暗唱するほど

シャドーイングした

 

スティーブ・ジョブズの

卒業式メッセージで始まる本書。

カッコ良すぎて、共感タップリ。

 

本書に戻ると、

 

ミーニングノートには、

 

一日3つチャンスを書く。

 

すぐ忘れてしまうので、必ず毎日書く。

 

そのチャンスに意味づけする。

 

そのチャンスを

週単位で繋がりを知り、

月単位で成長や進む道を発見し、

チャンスを大きくしていく自信と戦略を得る。

 

具体的事例が書かれていて、

確かなことだと気づく。

 

きっと私にも出来る!と思う!

 

山田智恵さんの言う通り、

チャンスは繋がっている。

 

繋がっていく、繋げていくことが出来る。

 

私自身に当てはめてみると、

チャンスの繋がりがわかる。

 

著者へのお礼に、

私の小さなチャンスの繋がりを記します。

 

転職する

外資企業なのでTOEIC900点と

会話力アップのため英語スクールに通う→

 

山田智恵さんと知り合う→

その時の担当教師の

友人の通うコーチングスクールで学ぶ→

 

自分のWebサイトを創り

ブログや書評を始める→

山田智恵さんの本を知り、

書評に書く。

 

これ以外にも書ききれないほど、

私のチャンスは繋がっていて

 

今の自分と、価値ある仕事などが存在する。

 

チャンスの機会をくれた人たちに感謝です。

 

すでに輝いている、著者の山田智恵さん。

 

輝く人をつくるKiku塾が

エールを送る、勇気づけするのは、

この言葉。

 

Stay hungry! Stay foolish!

 

チャンスに貪欲に!

という意味でもあると感じます!



書評35

サブスクリプション・マーケティング ものが売れない時代の顧客との関わり方   アン・H・ジャンザー

サブスクリプションとは、定期購読のことである。

古くからは、新聞の月極め購読がある。

 

現代では、モバイルフォンやパッドのデバイスなどから、

音楽・映画・ゲームやアマゾンなどの各種サービス、

パソコンソフト(アドビ)の使用など、

 

月極めの定期購読が非常に多く、

 

企業が売り切りモデルから、

サブスクリプションモデルへと変革し、

成功を収めている。

 

サブスクリプション・モデルで大切にされるのは、

顧客の経験価値の育成に取り組むことであり、

顧客の成功を支援することである。

 

サブスクリプション・モデルは

顧客との契約開始後が、始まり。

 

売り切りモデルは、

売り切ったら後は終わりで、

問い合わせ程度のカスタマーサポートが存在する程度。

 

契約顧客の体験を集め、

その体験を育成し、

その口コミによって、

新しい顧客を獲得する。

 

また、契約顧客に

アップセル(上位品の購入)や

クロスセル(違う分野・サービスの購入)を自然に促す。

 

売るのではなく、

顧客の新しい体験を作ることを、

ビジネス(商品・サービス等)にしている。

 

このカスタマージャーニーを

作っていくことが、

サブスクリプション・マーケティングの成功のポイント。

 

マーケターは自分の組織から飛び出し、

顧客の体験の全体像を把握することに注力する。

 

またマーケティング以外の組織の人も、

マーケティングの手法を活用して、

顧客にメッセージを発することが求められている。

 

サブスクリプション・モデルでは、

顧客に付きまとわない、

ことも重要と述べている。

 

顧客が気持ちよく

ビジネス(商品・サービス)を体験することを

創り出す大切さが解かれている。

 

サブスクリプションに関わらず、

顧客が満足してビジネス(商品・サービス)を

使うことは最も大切なことであり、

 

所有から使用というビジネスに

変わってきていることがよく理解できる。

 

様々な”もの”が、所有から使用に

今後も変わってくるだろう。

 

その要因とビジネス構築に必要なことが

理解できる書である。

 

私は、医師から処方される

医療用医薬品のビジネスに

長く関わってきたが、

 

医療用医薬品は、都度必要な時にのみ

使われるものであり、

所有ビジネスではなく、

使用ビジネスであった。

 

使用ビジネスであるにも関わらず

本書のようなマーケティングを行えていたか?

 

顧客が気持ちよく

ビジネス(商品・サービス)を体験することを

 

新たな体験を創り満足する経験を

 

創り出せていたか?

 

成功した製品は、その通りであったと考えている。

 

あらためて、医療用医薬品のマーケティングについても

関連づけて考えることができた。



書評34

THE TEAM 5つの法則  麻野耕司

著者は、モチベーションクラウドという、

組織状態を見える化して改善コンサルティングを行う

クラウドサービスを提供している会社の取締役である。

 

5000社、100万人以上のデータに基づいた

THE TEAM」の在り方を解説している。

 

まず、チームとグループの違いを定義している。

 

グループは、

二人以上の人間が集まって活動するだけの集団

 

チームは、

共通の目的を持っている集団

 

日本人は、個人より、

全体関係性の世界観を有している国民性であり、

チームとしての活動は、日本人の強みである。

 

事例として、400メートルリレー、

W杯日本ラグビーチームを挙げている。

 

 

チームの5つの法則を

ABCDEの5つの頭文字から取っている。

 

AAim 目標設定

BBoarding 人員設定

CCommunication 意思疎通

DDecision  意思決定

EEngagement  共感創造

 

 

また、チームを

”人材の連携度合い”と

”環境の変化の度合い”の大小から

4つに区分している。

 

サッカー型:人材連携 大、環境変化 大

野球型:人材連携 大、環境変化 小

柔道団体戦型:人材連携 小、環境変化 大

駅伝型:人材連携 小、環境変化 大

 

 

この4つの区分で、ABCD

在り方が変わることを解説している。

 

具体的には

・目標設定と評価 A

・メンバーの入れ替え B

・コミュニケーションの量 C

・チーム内のルールづくり、意思決定 D

 

最後に、

超一流でもモチベーションに左右されるので

Engagementの大切さを解説している。

 

現代の人は、金銭報酬だけでなく、

感情報酬で動く。

 

また、現代に求められるのは、

ルールより、コミュニケーションであり、

コミュニケーションがもたらす

モチベーションの重要性を説いている。

 

 

単純にチームを語るのではなく、

4つにタイプ分けしていることにより、

読者の納得度が高まっていると考える。

 

以心伝心の日本型社会から、

より密なコミュニケーションが必要な社会に

変わっていることを感じた。

 

以心伝心型マネージャーの変革が求められており、

私 菊岡の行なっている対話型コミュニケーター講座が

役立つ裏付けが、ここにもあると勝手に感じている。



書評33

あした死ぬかもよ 人生最後の日に笑って死ねる27の質問 ひすい こうたろう

コーチ仲間の推薦により、本書を手にとってみた。

 

著者は、名言ブログを書き始め

その名言ブログが編集者の目にとまり、

作家デビューして、いくつかの書籍を著している。

 

名言ブログというジャンルを開発した人だけのことはあり、

本書には、私 菊岡のライフ・テーマでもある

「勇気づけ」の名言が溢れている

 

冒頭のネイティブ・アメリカンの言葉

 

「あなたが生まれたとき、あなたは泣いていて、

 周りの人たちは笑っていたでしょう。

 だから、いつかあなたが死ぬ時、

 あなたが笑っていて周りの人が泣いている、

 そんな人生を送りなさい」

 

ナディア・ステアさんの詩

 「もう一度やり直せるなら」

 

生きる力をたくさん与えてくれる

 

『あした死ぬかもよ!』

を考えた時のワークが、

多数掲載されている。

 

どれか一つでもやってみると良い、

と思う。

 

私のやってみたワークは

「死ぬ前にやりたいことリスト10」

 

一つずつ、実現に向かって行動してみよう

という、勇気づけが出来た。

 

私の

死ぬまでにやりたいことリストに、

書籍の出版がある。

 

本書は、名言ブログで培った力を、

再構成すれば、書籍になるということも

教えてくれた。

 

勇気づけられた。

本書に感謝です。

 

勇気づけ・生きる力の充足・補充が必要な人は

ぜひ読んでみてください。



書評32

直感と論理をつなぐ思考法  佐宗邦威

多くの人の「脳の1日」は、

他人モードにハイジャックされた状態

人から受け取った情報に反応している。

 

いつ、何をするか、仕事は? 会議は?

他人の期待・満足に対応している

 

自分モードの時間を持つことも必要。

自分は何をしたいか? 自分はどう思うか?

妄想する時間が必要!

 

 

妄想を引き出し、それを実現化するために

必要な思考法を解説している。

 

 

これまでの思考法と新しい思考法として

思考法を4つに分類・提案

 

 

その4つの思考法とは

・カイゼン思考

・戦略思考

・デザイン思考

・ビジョン思考

 

 

4つの思考の分類には、

以下の軸を定めている。

 

軸1:課題型かビジョン型か

軸2:効率性を求めるか、創造性を求めるか

 

この軸に沿った思考法の分類は、

 

課題・効率性→カイゼン思考

ビジョン・効率性→戦略思考

課題・創造性→デザイン思考

ビジョン・創造性→ビジョン思考

 

 

妄想を引き出して、実現化していくためには

4つの思考法を、適切に用いる

 

 

妄想を引き出すための手法を更に提言

・紙に手書きする

・毎日決まった時間にかく

・何もしない時間をスケジュール化する

・質問する

・好きなものを書き出す

・妄想コーチングを受ける

など

 

 

世の中を大きく動かしてきたのは、

妄想=夢、であり

 

その妄想の具現化する方法は

学び鍛えることができる

 

 

私、菊岡の実施している

潜在価値開発のコーチング、

マーケティングのコンサルティングは

本書のテーマと共通する部分が確実にあった。



書評31

誰でもすぐに戦力になれる未来食堂で働きませんか?  小林せかい

著者は、東京・神保町で、食堂「未来食堂」を経営。

まかないさんと言われる、50分働くと一食分無料サービスという、

誰が働きにくるか、わからない環境で

日々の食堂を運営し、かつ長期的に経営している。

 

本書のテーマは、

「誰でも参加でき、かつ

 お互いの良さを活かし会える

 強いチームを作れるのか?」

 

解は、

最強のチームは、常に成功するチームではありません。

最強のチームは、失敗から進化できるチームです。

 

 

また、解を示し、本書の目次でもある

冒頭のロジックツリーが秀逸である。

ロジックツリーの学びになる。

 

このロジックツリーを

ゆっくり見ていただきたい。

 

 

本書がビジネス書として

役立つことが多く記載されている。

 

 

著者のせかいさんが、経営者として

一人でやらず、誰かと一緒にやる理由は

 

・作業時間が短くなる

・本当に経営者がやるべきことに時間を割ける

・ビジネスを成長させる

・必要なのは結果を出すことであり、

 一人で抱え込むことではない。

 

 

ホワイトカラーの専門職が手伝いに来るが、

頼むことが苦手で、共同作業に慣れていない

また、一人でやった方が早いと思いがち

 

 

この閉じた思考回路を変える必要がある、

まさにその通りと感じる。

 

 

まだまだビジネスに役立つことが掲載されている。

 

 

リーダーの熱量、リーダーが発する空気の伝染、

成功につながるキラー行動の抽出と仕組み化、感情のコントロール方法

 

 

私は、もちろん未来食堂に行ってみた。

思ったより、とても静かに運営されていた。

 

 

1店舗であるので、リーダーである、せかいさんの影響が大きい働き場であると感じた。

 

 

これは、多くの組織の1チーム(組織)単位で考えると同じことが役立つと感じた。

複数を束ねた組織であっても同様に役立つとも感じた。

 

未来食堂には、複数回行くと、その良さがよりわかるとのこと。

 

著者は、他の書作もあり、

他と違う存在感をいかに出すかなど、

ビジネスに役立つことを書いている。

 

なお、未来食堂で、本を購入すると

食事が無料になるようである。


書評30

Think Clearly  ロルフ・ドベリー

スイスのベストセラー作家が著した本書は、世界29カ国で翻訳されている。

 

「より良い人生を送るための必要な道具箱」として、

52の思考法を提言している。

 

この52の思考法は、心理学研究の成果である。

 

精神心理学、社会心理学、ポジティブ心理学、

ヒューリスティックスおよびバイアス研究、

行動経済学、臨床心理学、認知行動療法などから

まとめられている。

 

私は、マーケティング&セールスを原点に、心理学に惹かれて学び始め、

行動経済学、応用行動心理学、ヒューリスティックスおよびバイアス研究、

購買心理学、ポジティブ心理学などに学びを進めてきた。

 

心理学が、実学として、

人生を、より良く送るための道具=実践的手法になる、

という本書の趣旨に大いに賛同している。

 

52の思考法の中から、

あなたに必要なものを必ず見つけることができる。

 

著者は、おそらく必要度・優先度・重要度の高い順に

52の道具を配置していると感じた。

 

その一番は、私の大切にしていることであった。

 

1. 考えるより行動しよう

  何かに長く思い悩んでも1mmも前に進まない。

  人生に置いて、自分が何を求めているかを知るには、

  何かを始めてみるのが一番良い

 

配置順の高いものから、印象に残ったものを記す。

おそらく、私が強く感じるものと、

あなたの感じるものは異なることを

念頭に置いていただきたい。

 

2. なんでも柔軟に修正しよう

  飛行機が予定ルートを飛んでいる割合は、実はゼロ%。

  常に修正している。

  重要なのは修正する技術。

  計画が間違うことは多々あるので、早く修正する

 

3. 大事な決断を行うときは、十分な選択肢を検討しよう

  人は限定合理性で判断する

  人生の全体像を把握しよう

 

4. (心の)支払いを先にしよう

  心が穏やかでいられるように、わざと自分を錯覚させる

 

6. 戦略的に頑固になろう

  妥協しないところを持とう 

 

7. 好ましくない現実こそ、受け入れよう

  失敗から学ぶと、人生が上向く

 

10. 謙虚を心がけよう

  あなたの成功は、自らのみで手に入れたものではない

 

11. 自分の感情に従うのはやめよう

  自分の気持ちに距離を置く

  感情は飛んできては去っていく鳥のようなもの

 

16. 自分の向き、不向きの境目をはっきりさせよう

  「能力の輪」の内側の仕事が良い、能力の境界の周辺を広げていく

 →18. 天職を追い求めるのはやめよう、が関連

 

19. SNSの評価から離れよう

  周りの基準より、自分の内なる基準を大切に

 

26. 楽しさとやりがいの両方を目指そう

 

31. 性急に意見を述べるのはやめよう

  脳は常に答えを出したがる。

  その答えは、好き/嫌い、ポジティブ/ネガティブという基準で出てくることが多い

 

道具箱の中の優先順位は、一人一人の現在の環境で

変わってくるのであろう。

 

52の道具の中から、

現在優先したいことを、

3つ選んで実行してみるのが、

本書の一番の道具箱、

「考えるより行動しよう!」に

あっている。

 

「考えるより行動しよう!」

 



書評29

季節の中の診療室にて 浪越 建男

私の書評で、随筆を取り上げるのは初めてである。

 

著者の浪越建男くんは、

岐阜薬科大学時代の友人である。

 

といっても、彼は、歯科医になるという

自分の初志を貫き、

岐阜薬科大学から、長崎大学歯学部に

3年目に入るときに移っていった。

 

2年間の大学の友人としての付き合いの中で、

本人が書いているように、身体が大きく、

むっつりとした第一印象を持つが、

気持ちは優しく、よく気のつく男であった。

 

観察力が優れたいたのであろう。

また、日々の暮らしの中で、

小さな変化に気づいたり、

その変化を大切にして生きていることが、

歯科医の浪越先生を創り、

秀逸の随筆を書く浪越建男を作ったのだと感じている。

 

彼は、瀬戸内海に面した小さな町に生まれ暮らし、

私は、若狭湾に面した小さな町で生まれ育ち、

今は東京という大都会に暮らしている。

 

読書は、朝の通勤時間に当てることが多いのだが、

彼の随筆を読んでいて、暑い電車の中に、

なぜかとても爽やかな風や香りを感じた。

 

ふっと顔を上げるまで、

地下鉄東西線に乗っていることを忘れている自分がいた。

 

海と田園が浮かぶ。

砂浜が思い浮かび、海風の香りがする。

そんな瞬間を感じた。

 

幸せな気持ちを運んでくれた本である。

 

長崎は、私も九州統括担当の時に度々訪れて、

彼の書いている景色は思い浮かぶ。

 

浪越くんが、旅好きの私に、一つ、嬉しい宿題をくれた。

父母ケ浜を訪れよう!

みかんの食べ比べをしよう!

ウユニ塩湖で撮った写真に負けない写真を撮ろう!

夕陽をゆっくり眺めよう!



書評28

幸福学 ハーバードビジネスレビュー編集部

EI = Emotional Intelligence シリーズの1冊目が幸福学である。

 

幸福学という学問が存在し、

幸福経営学が、

現代型の経営に必須になってきているという

新しい潮流に焦点を当てたものである。

 

本書に、多くの研究成果が掲載されているが、抜粋すると、

 

幸せな者は、不幸せな者よりも

有能な働き手であり、

エンゲージメント(意欲、愛着、一体感など)が高く、

独創的で、生産的であり、

新たなことに挑戦する。

 

十分な睡眠をとり、運動を行い、瞑想し、

人脈を広げ、感謝をしていて、

組織などに対して献身的である。

 

仕事に満足し、仕事から多くのことを学び、

同僚の士気を高め、安全に働き

顧客を満足させ、

組織市民行動も行なっている。

 

いいことだらけである。

 

一方で、本書では、

幸せについて、幸せの追求について、批判的な文章が掲載されている。

 

良い点ばかりに焦点を当てるのではなく、

弊害・デメリットにも焦点を当てているのが

本シリーズの優れた点と感じる。

 

各論文の要点を簡単に記す。(ただし全体は長文です)

 

○職場での幸福は重要である  アニー・マッキー

 

 職場に頭と心でしっかりコミットしている人は、

 アメリカの2013年の調査では30%。

 

 多くは、生活の糧を得るため、週末を迎えるためだけに働いている。

 職場が好きでない人たちは、自己の生産性の低下だけでなく、

 周りに悪影響を与えている。

 

 職場で十分なエンゲージメントと幸福感を得るために欲しいものは次の3つ

 1)将来に向けた有意義な展望

 2)意義のある目的

 3)素晴らしい人間関係

 

 

 

○幸福の心理学  ダニエル・ギルバート、ガーディナー・モース

 

 幸福は測定できるが、

 人は、何が自分を幸福にするのか、

 また、その幸福がどのくらい続くかを予測することが

 あまり得意ではない。

 

 ポジティブな出来事は、実際以上に自分を幸せにすると予想し、

 ネガティブな出来事は、実際以上に自分を不幸にすると予想する。

 

 出来事は、幸福に一過性の影響しか与えない。

 

 些細なことの積み重ねが、幸せの糸口となる

 

 マネージャーの中には、満ち足りているより、

 仕事には、若干の居心地の悪さや、

 不安感を与えた方が良いと考える人がいるが、

 

 著者が知る限り、気をもみ、怯えている社員の方が生産性が高いというデータはない。

 

 満ち足りなさや、不安感ではなく、

 適度に挑戦しがいのあることに取り組み、

 それを達成していようとしている時に

 

 人は最も幸福であることがわかっている。

 

 挑戦と脅威は同じではない。

 

 

○幸福研究の未来 マシュー・キリングスワーク

 

 スマートフォンを用いて、

 トラック・ユア・ハピネスという

 83カ国、1万5千人の人を対象にした研究が行われた。

 

 この研究から判明した主なことは

 

 人間の心は、1日のほぼ半分はさまよっていて、

 気分を落ち込ませる要因になっている。

 

 一方、集中している時間は、幸せと感じている時間である。

 幸福の原動力は、日々の小さな事柄(の集中)かもしれない。

 

 

○否定的な感情がないことが幸福ではない  ジェニファー・モス

 

 著者の夫が重い病気にかかった。

 その体験から導き出したこと。

 

 重い病気の克服のために、

 理学療法や作業療法とともに、心理的なサポートが必要であった。

 

 その原動力は、「感謝」である。

 夫は、感謝の気持ちを日記に書き始めた。

 

 またポジティブ心理学の5つの要素を徐々に取り入れた。

 

 わかったことは、

 

 私たちは幸福とは何であるかを誤解しているだけでなく、

 間違った方法でそれを追い求める傾向があるようだ。

 

 幸福ビジネスは、幸福を目的にしているが、

 本当に重要なのは、そこに至るプロセスである。

 

 何をしている時が一番幸せかを発見し、

 その活動に定期的に関わることで、

 私たちは充実した人生を送ることができる。

 

 ※ポジティブ心理学の5つの要素

 

  ・ポジティブな感情

  ・エンゲージメントを高める

  ・関係:他者と有意義な関係を持つ

  ・意味:人生の価値ある意味、価値ある理念のために行動すること

  ・達成・業績:より良い自分になるために努力し続けること

 

 

○インナーワークライフの質を高める進捗の法則  テレサ・アマビール、スティーブン・クレイマー

 

 インナーワークライフとは、個人の職務経験・体験のことを指す。

 

 DNAを発見したワトソンとクリック、

 彼らの感情・モチベーション・認識を左右したのは、

 「進捗=進捗のあり・なし」であった。

 

 そこで7社の26プロジェクト 283名の研究を行い、

 創造的アウトプットと、インナーワークライフとの相関を見つけた。

 

 精神的な圧力や恐怖が成果を促すという俗説とは反対に、

 少なくとも知識労働の分野では、

 

 満足を覚え、仕事そのものに意欲を持ち

 所属する組織や同僚のことを前向きに捉えている時に

 創造性と生産性が高まる。

 

 また、仕事への責任感が高まり、

 周囲の人にもっと平等に接するようになる。

 

進捗を促す状態=インナーワークライフがプラスの状態を

作り出す要素は、 

 

 ・仕事の援助や支援

 ・敬意の表明や激励の言葉

 ・仕事が有意義と感じること

 

 

 

逆にマイナスに向かわせる・マイナス状態を作り出す要素は

 

 ・仕事を支援しない、または妨害する行為

 ・気持ちをくじく出来事

 

 

 

したがって、人が進捗を感じるように、

 

・小さなマイルストーンを設ける

・インナーワークライフがポジティブになる要素を、

 日常で出来るだけ多く用いる

 

 

 

逆効果は、いわゆるマイクロマネージャーと呼ばれる人たち

 

その人たちの特徴は

・仕事をする際の自主性を認めない、メンバーの一挙手一投足に指示を出す

・部下によく尋ねるくせに、仕事の手助けは行わない

・問題が起きると、すぐに人を責める

 

マイクロマネージャーが善意の人であり、

善意からの行動であっても、

チームに思うような進捗がなく

人が離れていってしまう。

 

 

○幸福のマネジメント  グレッチェン・スプイツアー、クリスティーン・ボラス

 

安定的に高業績をあげる組織の秘訣について調査したところ「幸福感を抱く社員は、そうでない人と比べて長期にわたって高いパフォーマンスを上げる」

 

欠勤が少なく、離職率が低く、求められた以上の働きを行い、意欲の高い人材を引き付ける。そして短距離走よりもマラソン向きで、すぐに息切れすることがない。

 

職場で幸せと感じる社員の2つの特徴

1. 活力をみなぎらせている。生きているという実感と情熱にあふれ、胸を高鳴らせている

2. たゆまぬ学習をしている。新しい知識や技能を身につけ成長していく

 

社員を成功させる方法、幸福を感じさせる方法

1. 判断の裁量を与える

2. 情報を共有する

3. ぞんざいな扱いを極力なくす

4. 成果についてフィードバックを行う

 

成功するための個人戦略

1. 休憩をはさむ

2. より意義のある仕事をする

3. イノベーションと学習の機会を探す

4. 元気のでる人間関係を大切にする

5. 社外活動への波及効果に目を向ける

 

 

○職場での幸福について見落とされていること アンドレ・スパイサー、カール・シーダーストロム

 

幸福は必ずしも生産性の向上につながらないという研究がある。

この幸福は、しばしば職場満足度と定義されている。

職場満足度と生産性は、イギリスのスーパーマーケットを対象にした研究では府の相関がある。逆の結果の研究もある。全体としてみれば、職場満足度と生産性の相関は弱いといえる。

 

幸福の追求、幸福を求めることばかり意識していると、むしろ幸福度が下がるという研究もある。幸福が義務になると達成できないときに、みじめな気持ちになる。

 

職場で幸福を求めると、上司との関係に悪影響をもたらすことがある。上司からの正当な評価と感情面の励ましを、絶え間なく欲しがるようになる。上司から期待通りの反応が得られないと、自分が見放されていると感じ、過剰に反応することが出てくる。自分を幸福にしてくれるのは上司だと期待していると感情面でもろくなる。

 

人は常に仕事で幸せになるべきだという期待を考え直す証拠が十分でている。

その期待は、自分を疲弊させ、過剰な反応を引き起こし、自分をもろく、だまされやすくして、孤独にすることもある。

 

仕事に幸福を求めすぎず、仕事に冷静に向き合い、ありのままに見つめることが必要である。

 

 

〇幸福追求のパラドックス  アリソン・ビアード

 

著者は、幸福について書かれた記事や本を読むことにうんざりしている。

著者は、ネガティブな気分に覆われることがしばしばあり、いつもハッピーな気分でいる人生など想像できない。実際、そうである人には懐疑的である。

 

2009年から、いくつか同様の論点の書籍が増えている。

 

エッティンゲンは、明るい幻想から目を覚まして現実の障害を分析することが大切である。

カシュダンとビスは、ネガティブな感情には良い面もある。

マクゴニガルは、ストレスがあったとしても、それを穏やかな心で受け止めることができれば、

心身の健康は阻害されないばかりか、むしろ改善される。

セルドンは、ただ快楽を追い求めることをやめ、

より有意義なことに心を向けるようになったことで喜びを得ることができる

 

多くの著者の誰一人として、幸せな人生を目指す個人の生き方に、異議を唱えていない。

「幸福の追求」ではなく、本当に目指しているのは「長期的な達成」である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



書評27

共感力   ハーバードビジネスレビュー編集部

ハーバードビジネスレビューのEmotion Intelligence(心の知性)シリーズの2冊目が、

共感力です。

 

ハーバードビジネスレビューに掲載された論文のエッセンスがまとめられ、

巻頭文に脳学者の中野信子さんが寄稿されています。

 

共感の優れたところ、必要なところだけでなく、

行き過ぎた共感のリスクを掲載しているところが、

本書のバランスの素晴らしさを感じます。

 

論文のエッセンスから、さらにエッセンスを記します。

 

●「なぜ共感力が必要とされるのか」 中野信子

 

 知識・知能と共感力、どちらが重要か?

 今は、「頭」だけではなく、それ以外の何かが必要

 「頭』=知識・知能は、これからはAIに。

 

 知能と共感力が司る脳の領域は前頭前野に存在する。

 この領域は、人間という種において著しく発達しているところ。

 

 両機能は、協調的に働くこともあれば、どちらかというとお互いに拮抗する場合が多い。

 そして知能の方が弱い。

 これは、人間は群れをなすことで生き残ってきた歴史にあり、

 生き残るための武器である。

 両方が生き残るための武器であり、双方を拮抗させずに協調させることが新しい技術か。

 

●「共感力とは」  ダニエル・コールマン

 

 共感には3タイプある

 ・認知的共感:他者の視点を理解する力

 ・情動的共感:他者の感情をくみ取る力

 ・共感的関心:相手が自分に何を求めているかを察知する力

 

 この力は、自分が言いたいことをハッキリと説明するためにも必要なスキルである。

 他人の感情・認知を理解する、自分の感情・認知を理解するー2種類の注意を働かせる

 

 部下への思いやりは、叱責に勝るという多くの研究が行われている(エマ・セッパラ)

 

 優れた聴き手はどう振る舞うか?

 ・黙っているのではなく、発見や洞察を引き出す、投げかけを行う

 ・相手の自己肯定感を育むようなやり取りを伴う、この聴き手に支えられ、信頼されていると思える

 ・協調的で、双方向のスムーズな会話/対話である

 ・相手が受け止めやすいような形での提案やフィードバックを行う

 

 最も優れた傾聴=トランポリンのような役割!

 

「共感と協働を促し、会議の質を高める」 アニー・マッキー

 

 会議をポジティブな感情が生まれる場にして、楽しみ、協働。創造的である、イノベーションの場。

 職場を幸せにすることができる

 

 そのための重要な要素は、参加者を注意深く読む「共感」と「感情の自己管理」

 

●「子育て経験のある上司とない上司、どちらが育児の苦労に共感してくれるか?」

  レイチェル・ルタン、メアリーハンター・マクダネル、ワラン・ノルドクレン

 

 直感で経験がある方と選んでしまうが、それは間違い。

 過去に苦境を乗り越えた経験を持つ人は、似たような苦境にあり克服できない人に対して

 特に厳しい見方をする傾向が強い

 

 したがって、リーダーは過去の経験からの固定観念を捨てて、相手の苦しみに特に注意を払う

 

●「権力を手に入れると思いやりが薄れる」  ルー・ソロモン

 

 権力を手に入れることにより、自分の見方は常に正しい、というように主張するようになる

 協調的でなくなり、思いやりを失う

 他者に共感する能力を妨げる。

 権力は、ときに脳の機能を変えることもある(カナダの神経学者 スキンビダー)

 

 権力乱用を防止するための自己診断10、が掲載されている

 

●「なぜ人は昇進すると横柄になるのか」  ダッチャー・ケルトナー

 

 リーダーはレベルを問わず、誰でも不正を犯しやすくなる。

 カナダの研究では、MBAを保有しているCEOは、報酬は増えるが、会社の価値を下げる。

 昇進すると、利己的な行動を取りやすくなる。

 

 職場では、他の人の話をさえぎる、他の仕事を会議中にやる、声を荒げる、人を侮辱する、など

 

 逆に、マネージャーが、時間を割いて従業員に感謝すると、

 生産性・積極性が高まるという多くの研究がある。

 

●「共感的デザインの原則」 ジョン・コルコ

 

 洞察(インサイト)を導き出すデザイン。

 組み合わせや比較などから、価値提案を引き出す。

 ストーリーにして語る。

 

「共感するにも限度がある」 アダム・ウエイツ

 

 1)共感による消耗がある

   ー医療や社会福祉の専門家には、共感疲労や燃え尽き症候群になることがある

 2)共感できる量には限度があり、ゼロサム状態になり得る

   ー身内の共感に使い、外部者への共感がへる。またその逆もある。

 3)共感は倫理観をむしばむことがある

   ーテロリストなどの内的共感の強さ、残虐行為や不正行為が続く

 

 この対応には以下のような方法がある

 ・共感する相手を分ける 例)従業員に主に共感する人、顧客に主に共感する人

 ・双方の利益になる統合的な解決案を探り出す(ゼロサムにしない)

 ・休憩をとり、自分だけに集中する時間を作る

 



書評26

Die革命  奥 真也

著者は、東京大学卒業の放射線科医師であり、その後、製薬会社、薬事コンサルを経て、現在医療機器メーカーに務めている、医師としては異色の経歴の持ち主である。

 

これからは、病気では簡単に死なない時代になってきている、死なない時代「不死時代」が始まっている。

 

「不死時代」を生きるからには、著者は、「前向きな不死」を手に入れて、

不死時代の恩恵を得るための著者の考えを記している。

 

日本人が平均寿命50歳を超えたのは、昭和22年 1947年生まれの平均寿命が

男性50.1歳、女性54.0歳。

 

抗生物質が実用化され、医療が病気との戦いに勝ち目が出てきた。

ボヘミアンラプソディーに出てきたエイズも不死になった。

多くのガンも標的遺伝子の治療薬や免疫治療薬が出てきて勝ち戦が見えてきた。

AI時代になり、画像診断がさらに進歩すると、適切な対応を早くできる。

(早期発見、早期治療、誤診の防止)

 

山登りに例えると、9合目は見えた。

ただし、残り1合は、山登りと同じで、かなり遠く厳しいのかもしれない。

 

9合目は見えたが、病気の9割は治らない。

糖尿病、高血圧、HIV感染(エイズ)も治癒しないが、共に生きることができる

 

死は、突然やってくるものではなく、ゆっくり進行する状態を強く帯びている。

 

人生は、多毛作時代になっている。

著者の経験からも、いろんな職種で働く。

一旦立ち止まって、自分が本当にやりたいことに向けて

学習したり、投資したりする時間的余裕が出ている。

 

もうやることがない、会社から離れたら家で邪魔者扱いという「後ろ向きな不死」ではなく、

多毛作時代を生きる「前向きな不死」を楽しむことができる。

 

医療の面からも、人生100年時代、人生多毛作時代にアプローチしている。

 

私も、社会人生活は、製薬会社の営業から始まり、

様々な職種・職場、異なる会社で多様な経験の機会を得た。

 

また、学び続けることで、製薬・遺伝子/細胞治療・検査などのヘルスケアビジネスや、

プロコーチ・トレーナー・コンサルティング・人材育成など

多毛作なビジネス活動が充実している。

 

医療と、人生多毛作という2つのキーワードが、本書への共感になったと考える。



書評25

人を動かす、あらたな3原則ー売らないセールスで誰もが成功する ダニエル・ピンク

「ハイ・コンセプト 新しいことを考え出す人の時代」「モチベーション3.0」など、多くのベストセラーを出していて、私の最も好きな作家、ダニエル・ピンクが2013年に著した書。

 

ダニエル・ピンクは、ノースウエスタン大学卒業後、ビル・クリントン政権の補佐官、ゴア副大統領のスピーチライターを務めた。日本の漫画が好きで、マンガ学研究のために日本に滞在していたこともある。

 

出版された2013年当時は、マーケティング・セールスの観点から新たな発見があったが、この3原則はコーチ・コンサルタントにも重要な能力・在り方だと感じている。

 

人を動かす、新たな3原則を、英語の頭文字ABCで示している。

 

A: Attunement  同調

B: Buoyancy    浮揚力

C: Clarity  明確性

 

A:同調には、3つある。

 

1.視点取得

 

自分の経験から一歩踏み出して、他人の感情・認識・動機を想像する力

人の視点に入り込み、その人の視点を理解して、その人の目を通して世界を見る力

(主に思考、認知に関するもの)

 

2.共感

 

感情的な反応、継続的関係の構築や対立緩和に役立つ能力

個人が集団的状況や背景から分離して、単独では存在しない。人々の相関図を書く能力。

 

3.戦略的模倣

 

他人と同じことをする。交渉相手の癖を真似る力。観察し、待ち、少し控えた真似をする。

 

B:浮揚力とは、

 

自発的・内発的動機から、目標追求の理由を考えるように促すこと。

疑問文形式のセルフトークが役立つ。私たちは○○できるだろうか? 出来るだけ小さな行動の質問が良い。

 

ポジティブな質問とネガティブな質問は3対1。ポジティブが高すぎても有害に作用する。楽観的であることは必要だが、時折ネガティブに考えて対処することが重要。

 

C:明確性とは、

 

見えていなかった様相を明らかにして、置かれた状況を理解できるようにすること。

存在に気づかなかった問題を突き止めさせる能力

他人の問題を解決するより、問題を発見する能力

 

3原則を鍛えるためにやることは?

 

自分のフレームを見つける能力。

体験させる、レッテルをはる、難点を示す、可能性を強調する、などのワークを通じて発見できる。

 

質問を使う

特に抵抗する人には、論理的な質問より、非論理的な質問が有効である

論理でわかっていても抵抗しているので、そのことを明確にして、共感・浮遊力を発揮させる。

 

少し難しいのですが、端的には

 

「相手の視点を理解し、想像し、共感する。自発的・内発的動機から目標を考える。存在に気付かなかった問題を発見する。自分の認知フレームを認識する。これらの実現のために質問を有効に使う。」
と理解しています。
売らないで成功するとは、相手が自分の問題だと認識して、それは私に必要だと強く感じるように、進めていくことによります。

 

人やチームを動かしていく、リーダー、コーチ、コンサルタントには必要な能力と思いませんか。



書評24

妻のトリセツ 黒川伊保子

黒川さんの講演は、2度うかがったことがあり、

男性脳、女性脳の違いについて、明確に話され、

その上で、Diversityが叫ばれている現代に、

男性は、どう対応していったら良いか

明確に示してくれる。

 

奈良女子大学物理学部卒業後に、AI開発で、ヒトの感性の仕組みを追求されている。

 

本書は、妻という対象に焦点を絞っているが、

男性と女性の違いを書いており、

男性にとって、妻への対応に役に立つ書であることはもちろんだが、

女性の部下・同僚・上司への対応にも使える。

また、女性が読んでも役立つ書であると思う。

 

本書の書評に戻る。

 

会話の目的がそもそも女性と男性では違う

女性の会話の目的は「共感」。

男性の会話の目的は「問題解決」

 

女性の会話は、あいずちだけで良い。話の展開がコロコロ変わっても大丈夫

男性の会話は、答えを求める。脈絡が必要なので、話がコロコロ変わることが許せない

 

女性の会話は2回線

一つは、「こころ」

もう一つは、「事実」

この「こころ」と「事実」には、4つの対応が可能である。

 

「こころ」の肯定と否定、「事実」の肯定と否定、の組み合わせの4つの回線。

 

女性の会話では、4つの回線の中で使うのは、2回線。

「こころ」は必ず肯定。

こころが肯定されれば、事実は肯定でも否定でも良い。

 

男性は、「こころ」より、「事実」を認めて欲しいと思いがち。

したがって、「事実」を認めたから良いだろうという対応を行う。

 

「事実」を認めても、「こころ」が否定されたら女性は許せない。

男性は、必ず「こころ」を肯定しよう。

 

「こころ」が否定されると、理不尽な言葉を男性に投げかける。

男性は、事実を認めているから、理不尽と感じる。

 

では、なぜ、女性脳は、このように対応するのであろうか。

 

それは、女性脳は、脳梁が太く、左脳と右脳の情報の行き来が出来やすくなっている

 

女性が子育てのために備えている標準装備である。

子育てのハプニングに、目の前で起きている出来事に対処するために

過去の関連記憶を瞬時に引き出して、ダイナミックに答えを出す。

究極の臨機応変機能を有している。

 

また、自分が健康で快適でないと、子孫が残せないので、

「こころ」を大切にして、

ストレス信号を低下させている。

 

相手の話は、ハプニングに活かせる情報としての

プレゼントと感じて、共感する機能を有している。

 

男性は、「それ意味ないじゃん」と思うが、

女性にとっては、今意味がないことも、将来使えるかもしれない

プレゼントである。

 

書いてきたような男性脳対応を行なっていると、

私も妻から、私にとっては理不尽な言葉を投げかけられることがある。

 

その理不尽と思える言葉に、そのまま素直に対応していることが多いが、

妻は、全くそう思っているのではなく、

心を通わせる努力が足りない、と叫んでいる(らしい)。

つまり、いろいろ言わずに、共感しなさい、察しなさい、ということ。

 

自宅での妻からの理不尽な言葉には、なかなかコーチングのスキルを使えていない。

「○○っていうのは?」ではなく、単純に共感することが必要なようだ。

 

対話型コミュニケーションなどのワークショップを実施していて、

男性と女性の違いに話題が及ぶことが多い。

 

本書を読めば、その理由がよくわかる。

 

しかし、女性だからという一律対応では、個性を尊重していない。

「私は仕事の時は、全く男性脳です」と言われる女性の方に少なからず出合う。

 

本書を参考にして、そして個々を尊重することがベストと思われる。